【後悔する?】レストランから給食業界へ転職して感じた「3つの絶望」と「5つの救い」

導入

前回の記事では、個人経営のカフェでパワハラと借金に絶望し、フレンチシェフとの出会いをきっかけに料理を続ける道を見つけた話をしました。

今回は、その先——フレンチの厨房を経て、給食業界(老人ホームなどの施設運営)へ転職した「リアルな実態」についてお話しします。

先に言っておきます。給食業界は、決して「良いことばかり」ではありません。むしろ、転職してすぐに突きつけられた「絶望」が3つありました。でも同時に、それを補って余りある「救い」も確かにありました。

良い面だけを並べる転職サイトの記事とは違い、現場で店長として働く私が感じたことを、包み隠さずお伝えします。

絶望その1:給与面のリアル

正直に数字を出します。現場責任者(店長)として働く私の場合、基本給21万円、責任者手当2万円(残業手当込み・月15時間ほど)というのが実態です。

前職までの調理技術や経験を考慮しても、業界的に見て「そこまで高くはない」というのが率直な感想です。華やかなレストランやホテルのシェフを夢見ていた自分からすると、最初はギャップを感じました。

絶望その2:労働時間のリアル(責任者ならではの負担)

一般スタッフであれば決まった業務パターンで働けますが、責任者(店長)になると話は別です。

急なスタッフの体調不良、他店舗の欠員による応援、材料発注やシフト作成、クライアント対応。何かトラブルや重大な事故があれば、休日でも会社から連絡が来ることがあります。

「安定している」と聞いていた給食業界でも、マネジメントを任されると、それなりのプレッシャーと向き合うことになります。

絶望その3:ルールの厳しさ

給食業界は衛生ルールに非常に厳しい世界です。調理開始時間、配膳方法、利用者ごとの好き嫌いやアレルギー対応など、覚えなければならないことが多くあります。

ルールを破れば、最悪の場合、懲戒解雇や減給の対象になることもあります。また、給食委託業は施設ごとにやり方が異なるため、現場が変わるたびに一から覚え直す大変さもあります。

自由な発想で料理を作りたいタイプの人にとっては、正直かなり窮屈に感じる環境だと思います。

それでも給食業界を選んでよかったと思う「5つの救い」

ここまで読むと「結局ブラックなのでは」と思うかもしれません。でも、ここからが本題です。この業界には、個人店にはなかった確かな救いがありました。

救い1:キャリアの伸びしろがある 自分の考え方次第では、支店や本社勤務の役職を目指すことも可能です。責任者手当にもランクがあり、他店舗の管理などを行えば月2〜3万円変わってきます。

救い2:休日が制度として守られている 会社にもよりますが、正社員は必ず月8日の公休を取らなければならず、休日出勤には手当が付きます。残業時間も月20時間以内を厳守するルールがあり、時代とともに労働環境は着実に整備されてきています。

救い3:一般スタッフならプライベートを確保しやすい 責任者にならなければ、調理・配膳・洗浄・清掃という1日のパターンが決まっているため、プライベートの時間を確保しやすい環境です。副業もやりやすいと感じています。

救い4:一人で責任を背負い込まない 個人店ではオーナー一人の裁量ですべてが決まりましたが、給食の現場は周りにスタッフがいるチーム体制です。一人だけが責任を背負い、精神的に追い詰められることはあまりありません。

救い5:ルールがあるからこそ「理不尽」がない 厳しい衛生ルールやマニュアルは窮屈に感じることもあります。でも、裏を返せば、オーナーの気分やその日の機嫌で怒鳴られることがないということです。マニュアル通りに動けば評価される環境は、パワハラに怯えていた頃の自分にとって、ある意味「天国」でした。

結び

「給料が下がっても、怒鳴られない環境で、決まった時間に帰ってパートナーとの時間を大切にしたい」——もしあなたが今、そう感じているなら、給食業界という選択肢は、決して「妥協」ではないと思います。

次回は、「給食の調理はつまらない」というよくある誤解に対して、30代からフレンチを学んだ私だからこそ語れる、施設マネジメントの面白さについてお話しします。

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